一般ニュース 10月2009年

28/10/09 前CEOへの高額な退職金に株主は大反発 − カンタス航空
28/10/09 豪州、NZ、アセアン10ヶ国の自由貿易協定が1月1日から実施
28/10/09 フィジーへの就航形態を見直し−ジェットスター、バージンブルー
21/10/09 インドとの自由貿易協定締結を推進 − 豪スミス外相
21/10/09 豪ドル高による勝ち組企業と負け組企業は?
21/10/09 A380の技術上の問題で5号機の納入が遅れる−カンタス航空
14/10/09 カンタス保有のエア・パシフィック航空株の買収を検討−フィジー政府
14/10/09 12月6日メルボルンに就航、豪州市場からの撤退なし−カタール航空
14/10/09 8月のオーストラリアの貿易赤字は前月より減少して15.24億ドルに
07/10/09 政策金利を0.25%引き上げて3.25%に − 豪準備銀行
07/10/09 オーストラリアでサマータイムが始まる。日本との時差は2時間
07/10/09 新興航空会社のストラテジック航空が航空運送事業許可を取得
07/10/09 オーストラリアの人口が2,200万人に

                                                

10月28日2009年 前CEOの高額な退職金に株主は大反発 − カンタス航空
  カンタス航空の前CEOのジェフ・ディクソン氏は約1,100万ドルの退職金を期待していたが、昨日カンタス航空の経営陣は株主や従業員から、この退職金に対して激しい抵抗に直面した。 
  パースで開催された同社の年次総会で、株主の42%がこの退職金に反対の票を投じた。 特に怒りを買ったのは、税制改正によりディクソン氏が個人的に支払った300万ドルを穴埋めするために、会社側が退職金に上乗せしたことであった。 
  同社のリー・クリフォード会長は、みんなの怒りはもっともだとしながらも、「今回の退職金は適当に決めたことではなく、数年前に交わしたディクソン氏との契約に基づくものである。 ディクソン氏は最高経営責任者としてカンタス航空に貢献し、世界でトップクラスの経営者の1人である。 ディクソン氏と契約した時は、投資グループによるカンタス航空の買収が失敗した時期で、先行きが不透明な中、経営陣の継続性が必要であった」と株主に理解を求めた。 
  しかし、株主の怒りは収まらず、オーストラリア株主協会(Australian Shareholders Association)のダグラス・アーマティ氏は、「経営陣は今までにない収入を得ているが、株主は株価の低下と無配当により、投資利益が減少している」と非難した。 また、ほかの株主たちは、ほかのカンタス航空の従業員は、税制改正による穴埋めは受けていないと指摘する。 クリフォード会長は、今後退職金の規定を見直すとしている。 (Source: Travel Today, 22/10/09 "Shareholders lambast Dixon payout")
10月28日2009年 豪州、NZ、アセアン10ヶ国の自由貿易協定が1月1日から実施
  連邦政府はアセアン諸国との自由貿易協定が来年1月1日から始まると発表した。 
  連邦政府のサイモン・クリーン貿易相は、「この協定は、オーストラリアとニュージーランドとアセアン10ヶ国の合計12ヶ国で始まる」と話した。 アセアン(ASEAN : Association of South East Asian Nations)は、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナムを含めた10ヶ国から成る。 
  今回の協定に署名した国の国内総生産を合わせると3.1兆ドルとなる。 オーストラリアとそれらの国々との現在の貿易量は、オーストラリアの輸出・輸入を合わせた貿易全体の約20%となっている。 また2020年までには、オーストラリアの輸出品に対するアセアン諸国が課している関税の90%が撤廃される。 現在アセアン諸国への輸出品の約3分の2には関税が掛けられていない。 この協定は、アセアン・オーストラリア・ニュージーランド自由貿易協定(AANZFTA : ASEAN-Australia-New Zealand Free Trade Agreement)と呼ばれる。 (Source: LLDCN, 26/10/09 "South-east Asia free trade begins in January")
10月28日2009年 フィジーへの就航形態を見直し−ジェットスター、バージンブルー航空
  フィジーへの航空輸送量の割り当て枠が、ジェットスター航空とバージンブルー航空に分割されたことにより、両社はそれぞれの新規路線計画の再検討を強いられることになった。 
  ジェットスター航空はシドニー/ナンディ間を週1,491席、バージンブルー航空は週1,267席を望んでいて、両社ともデイリーでの運行を希望していた。 しかし、当局が発表した配分案は、ジェットスター航空が852席、 バージンブルー航空は907席であった。 この配分案で計算すると、ジェットスター航空がA320機による週4便、バージンブルー航空が子会社のVオーストラリア航空に同路線を移管するとB777-300機で週6便となる。 現在のオーストラリアとフィジーとの航空協定ではこの割り当てが上限となるが、カンタス航空は国際航空委員会(IASC:International Air Services Commission)に対して、更なる割り当てを獲得するために意見書の提出を用意しているとされている。 
  一方、IASC側は、「ジェトスター航空の週4便の運行は、エアーパシフィック航空やバージンブルー航空と競争するには十分である。 Vオーストラリア航空に関しては、バージンブルー航空が保有して現在使用していない360席を活用すれば、望んでいるデイリー運行が可能となる。 しかし、バージンブルー航空はその座席枠を、2010年から運行を予定しているメルボルンやアデレードからのフライトに使いたい意向である」としている。 バージンブルー航空は、配分案に対するコメントは避け、12月からの運航開始に向かって準備を進めているとされている。 (Source: Travel Today, 23/10/09 "Jetstar, Virgin weigh up Fiji flights")
10月21日2009年 インドとの自由貿易協定締結を推進 − 豪スミス外相

  オーストラリア政府のスティーブン・スミス外相は、インドとの自由貿易協定も含めた強い関係の構築を進めている。 スミス外相は、オーストラリアでのインド人留学生へのたび重なる襲撃問題に対する信頼回復の為にインドを訪れているが、これとは別にオーストラリアとインドの経済的な関係強化を進める目的もある。 
  スミス外相は、「我々は、自由貿易協定の締結による両国の戦略的パートナーとしての関係構築を望んでいる。 自由貿易協定による恩恵、エネルギーや気候変動へのより協力的な対応の恩恵、セキュリティー分野や戦略的な国防地域の協力などのメリットがある」と話した。 ケビン・ラッド首相が来月、インドを訪れる際には、自由貿易協定の締結の可能性が議題になるとされている。 (Source: ABC, 15/010/09 "Smith pushes for free trade with India") 

10月21日2009年 豪ドル高による勝ち組企業と負け組企業は?

  カンタス航空、バージンブルー航空、パシフィック・ブランド社、コカコーラ・アマティル社が、オーストラリア・ドル高の恩恵を受けた勝ち組、しかし、全体的に見るとほかの企業は負け組となっている。 
  Macquarie Equities社と Goldman Sachs JBWere社が別個に、オーストラリア・ドル高による影響について、オーストラリア企業を調査したところ、いくつかの驚くべき事実が分かった。 海外での収入が多いオーストラリア企業は、収入(特にUSドル)をオーストラリア・ドルに換えるために大きく影響を受けた。 資源輸出企業は、USドルで契約しており例外なく影響を受けている。 その反対に、小売業者や原材料を輸入しているコカコーラ・アマティル社などの輸入業者は、オーストラリア・ドル高の恩恵を受けている。 
  Macquarie Equities社によると恩恵を受けたのは、燃料コストが安くなったことと、オーストラリア人が海外に行きやすくなったことでカンタス航空、バージンブルー航空、海外での負債が軽減された建築資材メーカーのBoral社、ゴム製品メーカーのAnsell社、衣料輸入パシフィック・ブランド社、多角経営企業のAlesco社、廃棄物管理と自動車輸入のTranspacific社である。 逆に負け組は、海外での収入が減ったデフェンシブストック株を保有する企業や海外の成長に乗り損ねた企業で、生物医薬品のCSL社、補聴器のCochlear社、医薬品メーカーのResmed社、ヘルス・ケアのRamsay Healthcare社、保険のQBE Insurances社となっている。 Goldman Sachs JBWere社は、エネルギーのCaltex社、化学品メーカーのIncitec Pivot社、ゲーム機メーカーのAristocrat Leisure社、鉄鋼のBlueScope社、紙製品のPaperlinx社を負け組としている。 しかし、為替レートの問題は、それらの企業の収入減となった要因のひとつに過ぎないとしている。 
  Goldman Sachs JBWere社が勝ち組としたBrambles社は、表向きは負け組であるべきであるが、世界で最大のパレット業者の業績は上向いている。 
  株式投資関連のLincoln Indicators社は、小売デパートのDavid Jones社、自動車部品のSuper Cheap Auto社、海外旅行代理店のWebjet社、 消費財輸入業者のGUD Holdings社、通信のTelstra社が勝ち組としている。 Telstra社は国内での事業が主であるが、テクノロジーなどの設備投資は海外から仕入れている。 (Source: The Australian, 19/10/09 "Winners and losers as local currency soars")

10月21日2009年 A380の技術上の問題で5号機の納入が遅れる−カンタス航空

  カンタス航空が発注しているエアバス社A-380の5号機の納期が今月末であったが、12月まで遅れることになった。 
  同社は納期遅れの理由は、A-380の飛行時の機体の安定性の問題を協議しているところであるとしている。 フライト・トリム・システムは、飛行時においてマニュアル操縦であろうが、自動操縦であろうが、機体をまっすぐに保つ役目をする。 カンタス航空は、今回の問題は機体がまっすぐに飛ばないと言う事ではないとしている。 
  オーストラリア資格航空整備士協会(ALAEA:Australian Licensed Aircraft Engineers Association)のスティーブ・パービナス氏は、「今回、協議されているのは安全性の問題ではない。 機体の燃料効率が悪くなるということである。 トリム・システムは機体をまっすぐに保つためにある。 航空機が飛行するには、空気に向かって矢のように飛ぶのが好ましく、レンガのように飛ぶのは良くない。 レンガのように飛行するとぐらつき、振動が始まる。 これを阻止するためにトリム・システムが装備されている。 しかし、このトリム・システムに不具合があり、カンタス航空所有の3機のA-380が今年飛行中止になったことがり、燃料タンクの内部を強化したり、機体の前輪の問題が生じた」と語った。 (Source: ABC, 15/10/09 "Qantas talks straight on Airbus problem")

10月14日2009年 カンタス保有のエア・パシフィック航空株の買収を検討−フィジー政府
  フィジー政府は、カンタス航空が放出を予定しているエア・パシフィック航空の46%の株式の買収を検討する委員会を設置している。 
  航空局のAcuity Waradi氏はフィジータイムズ紙に対して、「カンタス航空との協議は初期段階のもので、現時点では、誰がこの株式を購入するのかは分からない。 今回設置される委員会の推薦があれば、フィジー政府とカンタス航空に伝えられ、両社が同意すれば、次の段階の協議に入ることになる。 しかし、株式の価値が明確でなく、また多額の資金が必要になることから、この作業には時間がかかる」と語った。 
  カンタス航空は先月、エア・パシフィック航空の株式の売却と、ジェットスター航空のフィジーへの運航を希望していることを発表している。 フィジー政府は、エア・パシフィック航空を完全に掌握し、今後の同社の経営にオーストラリア側からの関与がなくなるとして、今回のカンタス航空の提案には前向きであるとされている。 しかし、エア・パシフィック航空が世界的な景気低迷や今年初めに起こった洪水に、今後どう対処していくのかは明確ではない。 2007-08年度の決算は記録的な3,820万Fドルの利益を計上しているが、最近はカンタス航空とバージンブルー航空との競争にエア・パシフィック航空が巻き込まれ、被害を被っているとの噂がある。 同路線に広胴機B777-300ERの投入を希望しているカンタス航空は、バージンブルー航空の子会社Vオーストラリア航空とで激しい競争が行なわれている。 
  一方、バリ線でも競争が過熱しており、新規航空会社ストラテジック航空が、12月6日から週1便のブリスベン/デンパサール間の運行を申請している。 同社はエアバスA330機を使用し、来年6月からは週2便での運行を予定している。 (Source: The Australian, 07/10/09 "Fiji weighs purchase of Air Pacific stake from Qantas")
10月14日2009年 12月6日メルボルンに就航、豪州市場からの撤退なし−カタール航空
  カタール航空は、現在12月6日からのメルボルン/ドーハ線の開設準備をしており、将来においてもオーストラリアのマーケットに参入し続けることを誓った。 
  同社のオーストラリアのマネージャーのブレット・マクドナルド氏は、今朝の旅行代理店との会議で、「他社が販売している安価な航空運賃には当惑しているが、同じマーケットで競争している以上、避けて通ることは出来ない。 我社はヨーロッパ向けのエコノミークラスを999ドルで販売し、9%をコミッションとして代理店に支払う。 しかし、現在の運賃レベルは受け入れがたく、これは長く続かないだろう。 我々は非常に厳しく、クレージーな時に就航することになったが、一旦フライトスケジュールが固まれば、オーストラリア・マーケットは、我々にとってレジャー客やビジネス客が期待できる主要なマーケットになることが出来る。 我々の展望としては、オーストラリアの複数の空港へ、1日数便のフライトを運航することを望んでいる。 シドニー線の就航は2010年上期の就航を予定している。 カタール航空が、運行している路線から撤退したのは1回だけで、それは政治的な理由からである。 我々はオーストラリア就航後も、このマーケットに留まり、成功を目指す」と話した。 (Source: Travel Today, 30/09/09 "
Qatar in pledge to Australia market")
10月14日2009年 8月のオーストラリアの貿易赤字は前月より減少して15.24億ドルに

  8月にオーストラリアの貿易赤字額が縮小したが、これによって、オーストラリアの経済の展望が変わることにはならない。 
  オーストラリア統計局は、8月のオーストラリアの商品・サービス貿易赤字が、7月の17.83億ドル(季節調整済み)から15.24億ドルに減少したと発表した。 輸出額が3億5,700万ドル(1.8%)減って193.25億ドルになり、輸入額も6億1,500万ドル(2.9%)減少して208.49億ドルとなった。 輸出で特に顕著であったのは、非農産品の輸出額が3億1,800万ドル(2.6)減って117.93億ドルとなり、過去18ヶ月間で最も低い数値となり、そのほとんどは石炭輸出の減少によるものである。 輸入では、消費財が3億500万ドル(5.8%)減って49.81億ドルとなり、2007年から50億ドルを下回った月は今回で2回目である。 
  消費財の輸入と非農産品の輸出の減少は、一次産品の価格サイクルが低迷し、それによって、国内経済の消費の勢いが鈍化したことによると思われる。 (Source: Courier-Mail/AAP, 06/10/09 "Trade balance improves as imports and non-rural exports fall")

10月07日2009年 政策金利を0.25%引き上げて3.25%に − 豪準備銀行

  オーストラリア準備銀行(RBA)は、5ヶ月間記録的に低いレベルにあった金利を引き上げることで、オーストラリア経済が改善していることに反応した。 
  RBAは、今年4月8日から続けていた過去49年間で最低の政策金利(OCR:Official Cash Rate)を0.25ポイント引き上げて3.25%とした。 今回の引き上げの決定はエコノミストたちに驚きを与えた。 Bloomberg社の調査では、エコノミストの20人のうち19人は、金利の引き上げまでは、少なくともあと1ヶ月間は現在の金利を据え置くのではないかと予想していた。 (Source: ABC, 07/10/09 "Reserve Bank lifts rates")

10月07日2009年 オーストラリアでサマータイムが始まる。日本との時差は2時間
  オーストラリアのニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、タスマニア州、南オーストラリア州、首都特別地域で、10月4日からサマータイム(夏時間、Daylight saving)が始まった。 4日の午前2時が1時間早まり3時となった。 
  なお、クイーンズランド州、西オーストラリア州、北部準州はサマータイム制を導入していない。 今回のサマータイムは2010年4月4日に終了する。 (Source: 04/10/09 "Clocks go forward as daylight saving begins")
10月07日2009年 新興航空会社のストラテジック航空が航空運送事業許可を取得
  ストラテジック航空は、民間航空安全局からオーストラリアの航空運送事業許可(AOC:Air Operator Certificate)を取得した。 同社はエアバス社のA330-200を使用機材として運航を始める。 
  同社のマイケル・ジェームス専務取締役は、「オーストラリアとヨーロッパでの事業許可の取得により、オーストラリア国内市場と国際市場において我社が確固たる地位に就くことになる。 そして、我社にとって成長の第一段階に入った。 我々のスタッフは過去12ヶ月間休みなく働き続け、その甲斐があった」と話した。 
  同社はA330-200を豪防衛省との契約事業で使用する。 また今年中に2機のA320を導入し、その内の1機をパースと西オーストラリア州遠北部のデービー間に運行させる。 そして、オーストラリアのほかの国内線や国際線の就航も調査していくとしている。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 29/09/09 "Strategic cleared for take-off ")
10月07日2009年 オーストラリアの人口が2,200万人に
  統計学者は、オーストラリアの人口が10月1日の午後一番には2,200万人をこえると予想している。 これによって、白人だけの移民を認めていた1963年と比べて人口が2倍になる。 オーストラリア統計局(ABS)は、9月30日の午後5時35分にはオーストラリアの人口が21,99万8,977人になると予想している。 
  社会統計学者のマーク・マックリンドル氏は、「オーストラリアの人口は、10月1日午後2時2分には2,200万人を突破する」と予想した。 昨年のオーストラリアの人口増加数が過去最高の40万6,083人となり、その大部分の30万人が出生によるものである。 オーストラリアの人口が2,100万人になったのが2007年6月のことである。 
  10年前、統計局はオーストラリアの人口増加率が年間1%として、2051年までに人口が2,350万人になると予測していた。 しかし、マックリンドル氏は、「27ヶ月間に100万人が増える現在の人口増加率で計算すると、オーストラリアの人口が2050年には4,000万人になる」と予測している。 
  統計局は、オーストラリアでの新生児の誕生は毎1分44秒に1人、新しい移民の到着は毎1分53秒に1人としており、また毎3分39秒に1人が亡くなっているとしている。 (Source: AAP, 30/09/09 "Aussie population to top 22m 'soon'")